「今を生きる」

 大事なのは今を生きること。   今日ある今を生きることです。
認知症になると、時間の感覚がなくなってきます。物忘れが増え、その時その時の今だけを見ながら生きていくことになります。このような状態を悲観する人は多いと思います。しかし、悩み苦しんでも、かえって悪くなるばかり。今を大切にし、人との付き合いを大切にしながら、楽しい気持ちで日々を過ごすことが大事ではないでしょうか。 その上で私が心がけるのは明日やれることでも今日手を付けること。本を書きたいなら、序文1行でもいいから書いてみる。手をつけると、未来に足を延ばしたことのなり、安心できるし楽しみも増えます。  (長谷川和夫著:「認知症でも心は豊かに生きている」より)
認知症になった人だけが書ける言葉がちりばめられています。私は56歳のとき、進行大腸がんが見つかり、主治医から余命1年未満と告知されたことがあります。開業して余り時間も経っていないため、借金もあり「うつ」と「パニック」状態になりました。そんな中で出会った言葉が相田みつお氏の「いま、ここ」という詩でした。お釈迦さんも同じことを述べております。「今の一瞬、一瞬を生きぬけ」と。長谷川先生の言葉にがんで苦しんでいたときのことを思い出しました。