転倒は寝たきりになる危険があります

加齢とともに歩行が不安定となり、高齢者は転倒しやすくなります。若い人の歩き方を見ると判りますが、歩行時は「つま先を上げて」「着地は必ずかかとから」着地します。ところが高齢者の歩行は「つま先が充分上がらず、足底全体で着地する」か「つま先から着地」してしまうことがあります。「つま先から着地」しますと、「前につんのめる」ようになり、わずかな段差でも、「つんのめって」前方に転倒してしまうことにつながります。階段などのハッキリした段差より、絨毯(じゅうたん)などの僅かな段差のほうが転倒につながりやすいと言えます。高齢になれば、足腰が弱ってくることと、平衡感覚が若いころに比べ、衰えてきますので、「地面をスッタように歩き、つま先から接地して、つんのめってしまいがちに」なるのです。若い人のように「つま先をシッカリ上げて」、「かかとから着地する」と転倒しません。

転倒しますと大腿骨の骨折が起こることが多いです:

転倒により大腿骨の骨折が起こりますと、寝たきりになることが少なくありません。これまでトイレに行ったり、自分でお風呂に入れたのが、できなくなってしまいます。寝たきりにならないまでも、行動範囲はかなり狭くなります。転倒予防にはできるだけ歩いて筋肉をつけるのが良いのですが、図のような「つま先の上げ下げ」、「かかとの上げ下げ」運動も効果的です。自宅でできますので、朝、昼、夕、各10回から20回くらい行い、徐々に回数を増やすと良いでしょう。

つま先の上げ下げ

かかとの上げ下げ

歩ける人は外を歩きましょう:

歩道は屋内と違い、路面は平らではなく、凹凸(おうとつ)があり、緩やかな傾斜のあるところもあります。若い人は何の苦も無く必ずつま先を高く上げ、かかとから着地してスタスタと歩きますが、高齢者は何とか転倒しないようにバランスをとりながら、よろよろ歩くこともあるかと思われますが、歩くときは一歩、一歩つま先を上げて、かかとから着地することを心がけ、転倒しないように歩くことが大切です。杖をついた方が楽な方は杖をついて歩くと良いでしょう
「コロナ」で家にこもっている高齢者の方で、歩けなくなっている方を大勢見かけます。高齢者の方は機能の衰えはあっという間です。